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妊娠体質は運動でつくれる!体型別オススメ運動法を解説

妊娠しやすい体づくりは「今」からすぐに始められます。妊娠体質作りに「運動」を取り入れることで、栄養療法や治療の効果が大きく変わります。治療も真摯に取り組んでいるのになかなか成果に繋がらない方は、トータル的に土台となる体づくりが必要になります。運動は苦手、したことが無いという方でも安心して行える、妊娠体質をつくるための運動とその効果について徹底解説します。

なぜ運動で妊娠体質がつくれるのか

健康維持のため、ダイエットのため、何においても大事なのは「栄養・休養・運動」必ずこの3点セットが出てきます。もちろん、妊娠体質をつくるためにもこの「栄養・休養・運動」が大事。
 では運動すると何にいいのでしょうか?
ウォーキング、ヨガ、テニス、ゴルフ、ダンス・・・いわゆる運動をすると、筋肉の収縮頻度(動く回数)が通常より上がります。筋肉が収縮する際、筋肉に沿うように走行している血管が同時に揉まれるため、血液が筋肉に押し出されるようにして先へ先へと送られていき、血液の流れが速くなります。これをミルキングアクションといいます。こうなりますと、体温が上がり、汗をたくさんかいて、運動後のあの爽やかな気分が生まれます。
普段、椅子に座ってデスクに向かっているとき、本を読んでいるときなどの安静時は、筋肉の収縮が姿勢の維持以外にほとんど行われないため、このミルキングアクションが起こらず、血液は心臓の力だけで全身に送り届けなければならないため血液の流れが悪くなりやすく、その状態は手足の冷えや下半身のむくみなどに表れます。

妊娠体質づくりには血液の力が必要不可欠

食事やサプリメントで摂取した栄養や、体内で分泌されたホルモンは血液に乗って各臓器へ運搬されます。質の良い卵子や子宮内膜の状態を整えるのもこの血液の力が必要です。栄養療法もやってるのに、治療もしてるのに成果になかなか繋がらない場合は、もしかしたらこの血液の力が弱っているのが原因かもしれません。血流改善は日常生活の中で意欲的に取り組むことでも効果が期待できますので、ぜひ運動を取り入れましょう。

妊娠体質をつくる運動と逆にやらない方がいい運動

「運動した方がいいですよ。」と言われたところで、何をしたらいいいの⁉
となりますよね。
妊娠体質づくりにはやった方が良い運動とやらない方が良い運動があるのですが、あまり知られていません。
運動しなくちゃ!と思い立った人が勢い余ってやってしまいがちな「ジョギング」と「腹筋」。これは妊娠体質作りにはあまり適さないのであまりオススメしません。その理由も含め、以下に解説していきます。

まずやるべき運動は「ストレッチ」

これは問答無用でやるべきです。運動不足がたたって体が硬くなっている、つまり関節の動きが悪くなると、筋肉の動きに制限が出てきます。筋肉の動きが悪いとミルキングアクションも起こりづらくなるので、せっかく重い腰を上げて運動に取り組んでも成果が出るのに時間がかかったり、急に運動することでどこかを痛めたり怪我をしたりしてしまいます。
特に、妊娠体質づくりで欠かせないストレッチポイントは首、脇の下、股関節、足首です。
ここは、ホルモンの通り道やリンパ管、血管が多く集まる場所であり、生殖器の代謝区が側にある部位なので、この部分が硬く縮まっていると妊活には不利です。
《こんな方は要注意》
  • 首や肩が凝って痛い
  • 腕が肩より上に伸ばせない
  • 脇の下を揉むと痛い、張っている
  • 自慢じゃないけど開脚全然出来ない
  • あぐらかくのも大変
  • 足首硬くてしゃがめない
該当する方は、首、脇の下、股関節、足首のポイントを重点的にストレッチしましょう。

次にやるべき運動は「有酸素運動」

これは有名どころですね。健康維持、ダイエットのお友達有酸素運動です。妊活でも一緒。有酸素運動とは、酸素を体内に取り組みながら行う運動のことで、ウォーキング、ジョギング、水泳が代表的です。
その中でも妊活で最もオススメな有酸素運動はウォーキングです。ウォーキングは運動初心者の方でも安全に手軽に始められるうえに、脚力を鍛え、全身の血流を良くしてくれるので、日常の中で意欲的に歩く歩数、距離、時間を増やして頂きたいところです。
ウォーキングのためだけの時間を確保するのが難しいという方は、通勤、通学、お買い物・・・と、生活の中で歩く場面を増やして下さい。
では、酸素を体内に取り込むとどんな良いことがあるのでしょうか。
私たちの体を一人の人間として作ってくれている組織の最小単位を細胞としたとき、この細胞一つ一つも呼吸をしています。呼吸とは、酸素と二酸化炭素のガス交換のこと。当然、細胞も酸素が足りなければ呼吸ができず、弱ってしまいます。なんか、だるい、疲れが取れないと感じる時は、体内に取り込む酸素量が少ないことで、細胞が酸欠になっている状態です。不妊傾向の女性の中には、顔色が優れず、日中もだるくて起きていられないような方もいますが、呼吸法やウォーキングで酸素をたくさん体内に取り込むようにすることで、数週間で別人のように気力・体力が回復していきます。
では、ウォーキングよりも息が上がるジョギングが一番いいのでは⁉︎と思いがちですが違います。
妊娠体質作りであまりやらない方がいいのはジョギングです。
医師から運動を勧められると「走らないと!」といきなりジョギングを始めてしまう方もいますが、日常的に走ることが習慣になっていない方は筋力も柔軟性も持久力も足りていない状態のため、やらない方がいいでしょう。
走るという動作は、地面から飛び上がった状態から着地するため、足の裏にかなりの衝撃があります。実は、足の裏には、血液中の赤血球が沈殿しやすく、走ったり飛んだりを続けると着地のたびにその赤血球が破壊されてしまいます。赤血球は、摂取した鉄分(ヘモグロビン)を全身に運んでくれる座布団のようなもの。この赤血球が破壊されてしまうと、血液は薄くなり、鉄分が全身に行き届かず走れば走るほど貧血に。。。!なんてことにつながります。
ジョギングが習慣化していない方が妊活のためにジョギングをすることはナンセンスですので、もし走っている方がいたら、すぐにウォーキングに切り替えることをオススメします。
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そして合わせてやるべき運動は筋トレ

筋トレといっても、主に鍛えるべき筋肉が少し異なります。
ターゲットにしたいのが、大腰筋、腸骨筋、骨盤底筋群、大腿四頭筋、広背筋この部分を効率的に鍛えるようなトレーニングをしましょう。
まず、妊娠体質作りには骨盤内に納まっている内臓の位置関係を把握することが大切。この時期に最も機能を充実させたい子宮と卵巣。子宮は恥骨の上、卵巣は股関節の上に位置しています。
つまり骨盤の中に納まっている内臓の一番下にあります。そのため、骨盤を支えている腹筋群、その中でも特に大腰筋や腸骨筋(合わせて腸腰筋といいます)、骨盤底筋群の筋力が低下すると骨盤が弛んで横に広がりやすく、内臓を支えておけなくなってしまいます。すると、徐々に内臓下垂が起こり、一番下にある子宮や卵巣が他の臓器に圧迫されるような状態になってしまうのです。
圧迫された状態が続くと、子宮や卵巣への血流が滞っていくので、卵子がうまく育たない、子宮内膜が厚くならないなどのリスクが上がります。上半身は華奢なのに、下腹だけ出てる感じがする方は筋力低下からの内臓下垂の可能性が高いので、骨盤矯正や、骨盤周囲の筋トレを行うようにしましょう。
また、大腿四頭筋(太ももの筋肉)、広背筋(背中の筋肉)は体の中でも特に大きな筋肉です。面積の大きい筋肉には、血管がたくさん通っているため、太ももや背中をたくさん動かす種目をトレーニングとして行うことで、効率よく全身の血流を増やすことができます。日本人に多い、猫背や、細い太ももは妊娠体質づくりとしては不利になりますので、姿勢を正し、脚力を衰えさせない生活を心がけましょう。

妊娠に必要な基礎代謝量、BMI値

基礎代謝とは、生命を維持するために最小のエネルギーのことをいいます。ダイエットの記事などでは、消費できるエネルギー量と書いてありますが、ここではあえて「自力で生産できるエネルギー量」と表記します。
妊娠して、出産まで赤ちゃんを育てていくのには膨大なエネルギー量が必要になりますが、現代女性の多くはこのエネルギー量(基礎代謝量)が低すぎて、体が妊娠に耐えられないという事実があります。
妊娠に適している基準となる基礎代謝量は1200kcalです(あくまでも基準です)。
計算式がありますので、当てはめて試算してみましょう。
655+9.6×体重(kg)+1.7×伸長(cm)-7.0×年齢=基礎代謝量
これが、1200kcalより下回っている場合は運動による筋力アップと適切な栄養を同時に摂取することで基礎代謝量を増やす必要があります。
さらに、基礎代謝量は体温が1度下がると15%減ると言われています。
例えば、基礎代謝量が1150kcalだった場合、低体温症だと15%減で977.5kcalまで下がってしまいます。1000kcalを下回ってしまうと老年期の代謝量と変わらない数値になってしまうので、とても省エネな体の使い方になっていて、赤ちゃんを産んで育てるまでのエネルギーが足りません。該当する方は運動と栄養による体づくりをすぐに始めることをオススメします。
また、BMI値も計算式がありますので、試算してみましょう。
体重(kg)÷身長(m)÷身長
妊娠に適しているのは20〜24の間です。一般的な指標と同じで低すぎても高すぎてもよくありません。

体型別妊娠体質づくりのコツ

①下半身太りタイプ

日本人女性に多いのが、この下半身太りタイプ。慢性的な運動不足、もしくは立ち仕事の影響で下半身に疲労とむくみが溜まってしまっている場合、上半身と比べると下半身にボリュームがついてしまいます。このタイプの方は、上半身と下半身の血流の交換がうまくできていません。
主な原因は2つ。1つ目は脚の筋力低下です。心臓から足先へ送り出された血液を下から上へ押し戻す力が弱くなっていると、血液や水分が下半身に溜まってしまい、脚が疲れやすく、冷えやむくみを抱えています。不妊傾向の女性の約8割が体の冷えを訴えているのも、現代女性の多くが脚力が弱ってきてしまっていることによるものと予測されます。
このタイプの方は、体液の流れをよくするためのストレッチやマッサージを特に重点的に行う必要があります。脚に溜まった血液を心臓の方へ送り返してあげるのです。
ストレッチであれば、足首、股関節周囲のストレッチ。マッサージは、オイルなどを使って足裏から徐々に上に上がっていくようにマッサージしましょう。

②脂肪太りタイプ

基礎代謝量は基準値をクリアしていてもBMIが24以上かつ体脂肪率が30%を超える場合は、脂肪層に血流が阻まれてしまうため着床障害のリスクが高くなります。
また、体脂肪率が高いということは、血中コレステロールの値も高いということ。コレステロールは、実は女性ホルモンの原料です。女性ホルモンが活発に働いている体は、コレステロールが大量に消費されるため、値が高くなることはあまりありません。肥満傾向や閉経により、女性ホルモンの値が下がってしまうと、コレステロールが消費されないため、血中に余ったコレステロールが浮遊し値が上がってしまいます。BMI24以下、体脂肪率30%以下を目指し、基準値内におさまるように運動を積極的に行いましょう。
この場合は、運動前のストレッチと、週3回のウォーキング、毎日15分の筋トレというように各種組み合わせることをオススメしますが、運動する気力も起きない場合は内臓を含め体が疲弊してしまっている状態なので、まずはマッサージやトリートメントなど「体が気持ちいい」と感じることから始めても良いです。

③やせ型タイプ

BMIが20以下、18ぐらいになりますと月経痛や月経不順のリスクが上がるので「痩せ」傾向の方は体重を増やす必要があります。
さらに、このタイプの方は、筋肉も細くて量が少ないため、自力で熱を起こす力が弱く、基礎代謝量が低くなってしまいます。
体重を増やすといっても脂肪を増やすのではなく、筋肉量を増やしていくことが目標になります。
 特にダイエットをしている訳では無く、ご飯も3食きっちり食べているのにBMIが低い「痩せ」傾向の方は、ペプシノーゲンの量が低くなっている可能性があります。
ペプシノーゲンとは、たんぱく質分解酵素”ペプシン”の元になるものです。このペプシノーゲンが不足していると、どんなに食事やサプリメントで栄養を摂取してもきちんと吸収できていないということになります。このペプシノーゲンは運動をすることで分泌量が増えるため、痩せ型の人も運動をすることで、このペプシノーゲンの値を増やし、食事から栄養が吸収できるように分解する力を回復させることが大切です。
運動を取り入れることで胃の機能を活性化し栄養吸収できる体質へと変え、筋肉量を増やし体重増加を目指しましょう。
運動としては有酸素運動に合わせて筋トレが必要になります。特にスクワットのような、体の大きな筋肉を動かすトレーニングをメインで行いましょう。

運動するのに最適な時間

運動に適しているのは朝です。習慣化するのにも朝が一番。
「あ~運動しなきゃな~体操しなきゃな~」と思いながら午前中をやり過ごし、ランチを食べてしまうと満腹になって眠たくなるので、だんだん運動が億劫に・・・そして夕方になってしまい夕飯の支度をしていると夜になって・・・「明日やればいいか・・・」の繰り返しになっていませんか?(笑)
したほうが良いこと、しなければいけないことは午前中に取り組むと一日がとても有意義に過ごせます。特に運動は、起きて、顔洗って、白湯を飲んだらすぐにやる!ぐらいでちょうど良いです。

寝る時間を削ってでも運動した方がいい?

答えはNO。睡眠を優先してください。疲労の溜まった体はいわゆるエネルギー不足の体になりやすく、基礎代謝量も落ちてしまいます。日中仕事をしていて帰宅時間が遅く、食事をしてお風呂に入って、お布団の中に入り込むのが午前0時。5時には起きて、支度をして出勤!!なんて働き盛りの女性も今は少なくありません。こうゆうライフスタイルの方はまず休養を優先してください。睡眠をしっかりとれないと脳が疲弊し、ホルモンの分泌量や運動効率が下がりいいことが何もありません。妊娠体質をつくるためには最低でも7時間はしっかり睡眠をとるようにしてください。休日の睡眠貯金より、毎日しっかり7時間の睡眠をとることの方が体のサイクルが安定します。
平日忙しい方は、休日にしっかり運動をするようにしましょう。週1~2回の運動習慣が安定的に取り入れられることでも十分に体の機能は充実していきます。

妊娠しやすい体質づくりは安産につながる

妊娠体質づくりのためにお教室に通ってきていた生徒さんの多くが「安産でした!」と笑顔で赤ちゃん連れで産後クラスに来てくれます。
妊娠体質をつくるために、ストレッチで全身の関節をよく動くようにして、有酸素運動で体力をつけ、筋トレでいきむための脚力をしっかり身につけたお母さんは、初産でも助産師さんが驚くほど、出産が上手だと褒められるそうです。
普段から体を動かす習慣がある人は、出産という大一番の舞台で、助産師さんの指示に合わせて的確に体をコントロールすることが出来るため、非常にお産がスムーズだそうです。
お産がスムーズだと、お母さん自身はもちろん、赤ちゃんもとってもラク。安産ベビーはとても穏やかな表情で生まれてくるそうです。
妊娠体質づくりの目標は、妊娠することではなく、元気な赤ちゃんを生んで育てること。
体づくりの過程で自身や子どもの体のことを知り、育児にも役立てて頂きたいと思います。